このシステムについて
「デジタル版教行信証」は、親鸞聖人の主著『教行信証』ならびに存覚上人の注釈書『六要鈔』を、Webブラウザ上で縦書き閲覧できるシステムです。
このシステムの特長
漢文・書き下し文・現代語訳・用語辞書の複数テキストを上下に並べて同時表示できます。
漢文の一節をクリックするだけで、書き下し文や現代語訳・六要鈔の対応箇所へ瞬時に移動できます。
開発の背景
『教行信証』は浄土真宗の根本聖典ですが、全体の約8割が様々な仏典などの引用から構成された漢文体の書物であり、極めて難解です。学習者はその内容を理解するために、書き下し文・現代語訳・注釈書(六要鈔など)を複数冊手元に用意し、書籍間で視線を行き来しながら読み進める必要がありました。該当箇所を見失うことも多く、学習の妨げとなっていました。
「それらの諸資料を同一の画面上に表示できたら、学習の便になるのではないか」——この問題意識から、浄土真宗本願寺派総合研究所が本システムを企画・開発し、2023年に公開しました。オンラインでの学習会や研究での活用も想定しています。
本システムは浄土真宗本願寺派の宗門総合振興計画の一環として、2018(平成30)年度から本格的に開発に着手しました。専門家を招聘した研究会を重ね、内容や使い方について検討を積み上げてきました。「親鸞聖人御誕生八五〇年・立教開宗八〇〇年慶讃法要」への寄与としても位置づけられています。日々研鑽に励む僧侶・門信徒から、初学者の「学びの入り口」まで、幅広い方々の活用を念頭に置いています。
主な機能
- 上下2段の並列表示 ― 異なる文書を同時に表示して読み比べができます
- 縦書き・横スクロール ― 伝統的な縦書きレイアウトで、右から左へスクロールします(Web上の仏典テキスト検索システムとして初めての縦書き表示)
- 全文検索 ― 6種の文書を横断した正規表現検索が可能です
- 注釈ウィンドウ ― 校異・脚注・訳注をポップアップで確認できます
- 典籍画像 ― 坂東本の原典画像(IIIF)を参照できます
- 栞・履歴 ― 閲覧箇所を保存して後から再訪できます
- 共有 ― 表示位置をURLやQRコードで他の方と共有できます
- 文字拡大縮小 ― テキストベースのため、どこまで拡大しても鮮明に表示されます
動作環境
| 種別 | 推奨環境 |
| ブラウザ | Google Chrome(最新版)、Microsoft Edge(最新版)、Safari(最新版) |
| Firefox | 利用可能(一部の表示が異なる場合があります) |
| スマートフォン | 利用可能(画面が小さいため一部機能が使いにくい場合があります) |
収録文書
以下の6種の文書が収録されています。
zen教行信証(漢文)
『浄土真宗聖典全書』第二巻「宗祖篇上」所収のテキストを電子化。
底本:真宗大谷派蔵 親鸞聖人真筆本(坂東本)※欠損部分は甲本で補完
対校本:甲(本派本願寺蔵鎌倉時代書写本)・乙(高田派専修寺蔵真仏上人書写本)・丙(本派本願寺蔵存如上人授与本)・丁(本派本願寺蔵版)による校異情報付き。
右仮名・左仮名・引用文出拠の本文注・上下欄の注記・細注まで収録。
chu教行信証(書き下し)
『浄土真宗聖典(註釈版)』(第二版)所収のテキストを電子化。
脚注・巻末注・補注の注釈情報付き。
gen教行信証(現代語訳)
浄土真宗聖典『教行信証』(現代語訳)所収のテキストを電子化。
訳注情報付き。
rok六要鈔(漢文)
『浄土真宗聖典全書』第四巻「相伝篇上」所収のテキストを電子化。
底本:本派本願寺蔵 明徳三年慈観上人書写本
対校本:甲(本派本願寺蔵文安四年空覚書写本)・乙(興正派興正寺蔵蓮如上人書写本)による校異情報付き。
nob六要鈔(書き下し)
六要鈔の書き下し文は従来存在しなかったため、本システムのために新たに書き下して編纂(新規編纂)。
底本:本派本願寺蔵 明徳三年慈観上人書写本(漢文)を書き下し。
dic用語辞書
主として『浄土真宗聖典(註釈版)』(第二版)所収の『教行信証』に関する脚注・巻末注・補注、および浄土真宗聖典『教行信証』(現代語訳)所収の訳注を電子化し、50音順に配列。
各注釈の出典アイコン(脚・巻・補・訳)付き。
注釈の種類(書き下し文・用語辞書)
| アイコン | 種別 |
 | 『浄土真宗聖典(註釈版)』(第二版)脚注 |
 | 『浄土真宗聖典(註釈版)』(第二版)巻末注 |
 | 『浄土真宗聖典(註釈版)』(第二版)補注 |
 | 浄土真宗聖典『教行信証』(現代語訳)訳注 |
画面構成
ツールバー
| 項目 | 説明 |
| 検索/目次/履歴/栞 | クリックでナビゲーションパネルの表示切替。同じボタンで閉じます。 |
| ページ番号エリア | 上段(または下段)の書籍ページ一覧。数字をクリックでそのページへ移動します。現在表示中のページは丸く強調されます。 |
| ◀ ▶ ボタン | 前のページ・次のページへ移動します。 |
| ≡ メニュー | 設定・共有・上下入れ替え・栞追加・ヘルプ・終了などを呼び出します。 |
本文中のマーク
↗
注釈ボタン
親文字の右上に表示される小さな矢印。クリックすると注釈ウィンドウが開き、校異・脚注・訳注などを確認できます。注釈ウィンドウは複数同時に開くことができ、ドラッグで移動できます。
IIIF
典籍画像ボタン
クリックすると、該当箇所の教行信証(坂東本)の原典画像を表示します。画像は国立国会図書館デジタルコレクションにリンクしています。
▼
書籍ページ区切り
書籍の原典ページの区切りを示します。▼のある行の行頭にページ番号が表示されます。
📌
ラベルマーク
その箇所に目次ラベルが設定されていることを示します。共有機能や目次で参照されます。
上下段の使い方
- 上段と下段には、それぞれ異なる文書を表示できます。
- 上段の本文をクリックすると、クリックした箇所(ブロック)がハイライト表示され、下段の対応する箇所も自動的にハイライト表示されます。
- 上下段の分割位置は、境界線をドラッグして変更できます。
- ナビゲーションパネルの幅も、境界線をドラッグして変更できます。
目次・履歴
目次
- 書籍の切り替え、指定ページへの移動、目次からの移動が可能です。
- ツリー形式で文書構造が表示されます。項目をクリックするとその箇所へ移動します。
履歴
- 過去に閲覧したページの履歴が時系列に一覧表示されます。
- 上段のみ・下段のみに絞り込んで表示できます。
- 一覧をクリックすると、その箇所に移動します。
- スクロールによるページ移動の場合、履歴は保存されません。
右クリックメニュー(本文上で右クリック)
| メニュー項目 | 説明 |
| 表示書籍の切り替え | 表示する文書を別の文書に切り替えます。 |
| 戻る | 1つ前に閲覧していた箇所に戻ります。 |
| 進む | 「戻る」で移動した後、元の箇所に進みます。 |
| 共有・設定・栞追加 | 各機能を呼び出します。 |
全文検索
概要
- 6種の文書を横断した全文検索ができます(チェックボックスで対象を選択)。
- 拡張正規表現を使用した高度な検索が可能です。
- 旧字体・新字体を区別せず検索します。
- 外字(Unicode未収録の文字)は ■ で検索できます。
- 複数のブロックにまたがる検索はできません。
- 検索対象は本文と左訓のみです(右仮名等は検索対象外)。
- 過去に使用した検索キーワードがサジェスト(入力補完)として表示されます。
句読点除外
「句読点除外」にチェックを入れると、句読点が間に含まれている文字列も検索できます。
例:「ああ弘誓」で検索した場合、通常は「ああ、弘誓」にマッチしませんが、
句読点除外にチェックを入れることでマッチするようになります。
ブロック検索
「ブロック検索」にチェックを入れると、指定したパターンに最も多くマッチするブロックを優先表示します。複数キーワードは |(縦棒)で区切ります。
例:「往相|還相」→「往相」と「還相」の両方を多く含むブロックを検索
検索パターンの例
| 検索パターン | 説明 |
| 星|月 | 「星」または「月」を検索 |
| (.*?) | 括弧で囲まれた文字列を検索 |
| [東西南北]方 | 東方・西方・南方・北方を検索 |
| \p{sc=Hira}{10,} | ひらがなが10文字以上連続する文字列を検索 |
| \p{sc=Han}{2,}仏 | 「漢字が2文字以上+仏」を検索 |
| ^\p{sc=Kana}{3}$ | カタカナ3文字のみのブロックを検索(左訓の文字数を調べる等に) |
栞(ブックマーク)
概要
- 現在表示している位置を栞として登録できます(右下の + ボタン、またはメニューから)。
- 上段・下段のどちらを登録するか選択できます。
- 栞に名称を付けることができます(省略すると自動的に付与されます)。
- 登録した栞の修正・削除が可能です。
- 栞をクリックすると、上段または下段の該当箇所へ移動します。
- 栞の保存はお使いのブラウザに保存されます。別のブラウザや端末では引き継がれません。
※ 保存位置はブロック単位のため、登録箇所と若干ずれが生じる場合があります。
共有機能
現在表示している書籍・表示位置・検索キーワードを他の方と共有できます。
メニュー(≡)または右クリックメニューの「現在の表示位置を共有」から呼び出します。
表示位置の指定タイプ
| タイプ | 説明 | 用途 |
| ①書籍ページ指定 |
現在表示中の書籍ページ先頭を共有します。書籍ページは基本的に変更されません。 |
長期間の共有に適しています |
| ②内部位置情報指定 |
画面右上に表示されている文字の正確な位置を共有します。 |
短期的な共有・細かい位置の共有に |
| ③ラベル名指定 |
目次項目や用語辞書のラベル名で共有します。 |
長期間の共有・章節単位の共有に |
共有方法
- クリップボードへのコピー ― URLをコピーしてメールや文書に貼り付け
- QRコード ― スマートフォンで読み取り
- 端末の共有機能 ― スマートフォンのLINE・メール等への直接共有
勉強会や研究会で同じ箇所を参照する際に便利です。参加者全員でQRコードを読み取ることで、全員が同じ箇所を表示した状態で開始できます。
操作のヒント
文字サイズの変更
- 本文上で [Ctrl] キー + マウスホイール回転 で一時的に文字サイズを変更できます。
- 上方向に回すと拡大、下方向(手前)に回すと縮小します。
- [Ctrl] キー + ホイールのクリック で設定画面で設定した拡大率に戻ります。
- 設定画面からも文字サイズを変更できます。
スクロール
- 縦書きのため、右から左へ横スクロールします。
- マウスホイールを回すと横方向にスクロールします。
- スクロールを続けると、自動的に前後のページが読み込まれます(無限スクロール)。
テーマ・表示設定
- メニュー(≡)→「設定」から、ライト・ダークテーマを切り替えられます。
- 上段の高さの割合、ナビゲーションパネルの幅なども設定で変更できます。
- 設定はブラウザに保存され、次回以降も引き継がれます。
上段・下段の入れ替え
メニュー(≡)→「上段・下段の入れ替え」で、上段と下段に表示している文書を入れ替えられます。
書籍の切り替え
本文上で右クリック →「表示書籍の切り替え」から、6種の文書のいずれかに切り替えられます。用語辞書以外の場合、現在表示中の箇所に対応するページが表示されます。
本文内リンクボタン
本文中の一部の語句には、リンクボタンが表示されます。クリックすると、用語辞書の該当項目や別の箇所へ直接ジャンプします。
現在位置のラベル名表示
現在閲覧中の章・節のラベル名が、画面の四隅(右下など)に常時表示されます。表示位置は設定画面で変更できます。
ご利用にあたって
本システムのご利用には、利用規約への同意が必要です。
- 本サービスはWebブラウザからご利用いただけます。アプリのインストールは不要です。
- 栞・履歴・設定はお使いのブラウザに保存されます。ブラウザのデータを消去すると失われますのでご注意ください。
- 本システムに収録されているテキストの著作権は各権利者に帰属します。
デジタル版教行信証は、Webブラウザから無料でご利用いただけます。
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